
2023年4月18日、X(Twitter)は「見えるシャドウバン」を開始しました。この新しいシステムでは、ヘイトスピーチなどのルール違反ツイートにラベルが付けられ、表示制限や検索除外、リツイート不可などの対応が取られます。
これにより、ヘイトスピーチなどの問題行動を行うユーザーが、他のユーザーから隔離されることが期待されます。この新しいシステムは、X(Twitter)がユーザーの安全性を向上させるために取った措置の一つであり、今後も改善が続けられることが期待されます。
この記事では「見えるシャドウバン」と言われるX(旧Twitter)の新しいシステムを解説します。また、ツイートのスケジューリング、リスト管理、キーワード検索、アカウントの分析といった機能も合わせて強化する事をおススメします。
X(Twitter)の「新シャドウバン」とは?
X(Twitter)がルール違反をするユーザーに対して取る「見えるシャドウバン」とは、X(Twitter)のシステムおよびチームにより、アカウントまたはツイートに、ラベルによる警告を表示する場合があると発表しています。
- ヘイトスピーチなどのルール違反ツイートにラベルが付けられる
- 表示制限や規制検索、 リツイート不可などの対応が取れる
- ヘイトスピーチの問題など行動を行うユーザーが、 他の人から隔離されるユーザーが期待される
可能性があるツイートには「ヘイト行為」のラベルが付与され、制限がかかったことが投稿者や他のユーザーに分かりやすくなります。
そうした対応を行うのは、ルールに違反する行為があった場合です。警告には、ツイートの削除後も14日間表示されることがあります。
これまでのシャドウバンは何の警告もなく制限がかけられ、それに気付かずツイートして無意味な作業を続けてしまう厄介な制限でした。
(※そもそも「シャドウバン」になるような行為をしなければよい話しですが・・・。)
「見えない」、「見える」シャドウバンの比較
ヘイトスピーチなどのルール違反ツイートをした場合の比較をしました。
従来のシャドウバン(見えない) | 新シャドウバン(ラベル付与の見える化) |
---|---|
・警告の知らせがないのでツイートを続ける。 | ・ある時、ツイートに警告ラベルが表示される。 |
・ツイートの反応が悪くてもそれが分からず続ける。(警告表示がないシャドウバンの対象) | ・警告された事により、ツイートを改善、見直し、もしくは削除して対応できる。 |
・気づかないまま続けると、事態はシャドウバンにより制限がどんどん悪化していく。 | ・発信者だけでなく、見る側もツイート内容を見極める事ができる。 |
・突然の凍結やアカウントBANになり、始めて警告を受けていた事に気付く。 | ・警告ラベルにより、健全なツイートを続けることができる。 |
警告ラベル(見える化)によってルール違反のツイートやアカウントを減らし、ユーザーが気持ち良く使える環境になる事ができます。
従来のシャドウバンでも、ルール違反は結局排除されるからいいんじゃない?と思うかもしれませんが、意図しない不服のシャドウバン(理由は分からない)をされる事もあり一概に言えません。「見える化」により自分でも何かがおかしいと気づけば、改善がなされると思います。
X(Twitter)警告ラベルの意味と種類とは?
X(Twitter)では、ルール違反があった場合や、特定の国での要請に基づいてアカウントやツイートに対して警告を表示することがあります。警告には様々な種類があり、例えば以下のような警告ラベルが表示されます。
ツイート上の警告ラベル《10項目》
X(Twitter)のシステムおよびチームにより、状況を説明するための警告がツイートに表示される、または警告メッセージが表示される場合があります。ツイート上の警告ラベルは10項目表記されています。
1.ツイートを非表示にする
X(Twitter)では、成人向けや暴力的なコンテンツを非表示にし、ユーザーに注意喚起することがあります。センシティブなメディアの表示を管理する方法については、詳細を確認できます。ただし、Twitter for iOSではクリックできません。

訳:「このツイートには、不快に感じる可能性のある内容が含まれている場合があります。」
訳:「以下のメディアには、不快に感じる可能性のある内容が含まれている場合があります。」<表示設定を変更する>
2.年齢制限のあるコンテンツ
未成年者や生年月日を登録していないユーザーには成人向けコンテンツを制限しています。Twitterではプロフィールで生年月日を追加することで、年齢情報を利用して関連性の高いコンテンツを表示することができます。
18歳以上のユーザーは設定を変更することで、センシティブなメディアが表示されるようになります。

訳:「年齢制限付きのアダルトコンテンツ。このコンテンツは18歳未満の人には適していません。」
訳:「年齢制限付きの・・・適していません。このコンテンツはすべての人には適していません。このメディアを表示するには生年月日をプロフィールに追加する必要があります。また、プライバシーポリシーで説明されているように、年齢を使用して広告などのより関連性の高いコンテンツを表示します。」
訳:「年齢制限付きの・・・適していません。このメディアを表示するにはTwitterにログインする必要があります。」
3.違反ツイートの手前に警告を表示する
ルール違反になる可能性のあるコンテンツや行為が公共の利益に繋がる場合があります。その場合、ツイートとのエンゲージメントを制限し、警告を表示しますが、削除はせずに公共の利益を判断します。公共の利益・・・(主に、選出議員と政府関係者によるツイート)

訳:「このツイートはTwitterの[特定のルール]に違反していますが、Twitterは、このツイートが公共の利益に関わる可能性があると判断したため、アクセス可能な状態になっています。」
4.X(Twitter)ルールに違反したツイートの削除に関する警告
ルールに違反しているまだ削除されていないツイートには、警告が表示されます。アカウントは、該当のツイートが削除されるまでロックされます。
5.真偽が問われている情報や誤解を招く情報を含む可能性のあるツイートのラベル付け
誤解を招く情報や真偽が問われている情報が含まれる場合、背景情報を提供するために、コンテンツにラベル付けを行うことがあります。
操作されたメディアを含むツイートには、「操作されたメディア」のラベルが表示され、タップすると詳しい情報や信頼できる情報源が表示される。
6.削除されるまで違反ツイートを非表示にする
ツイート削除後は14日間、X(Twitter)のiOS、Androidアプリとウェブサイト上で削除されたことを示す警告が表示され、違反した詳細ページやアカウントプロフィールページで表示されます。
7.特定の国でツイートまたはアカウントを表示制限する
特定の国で権限のある機関から有効な要請がある場合、X(Twitter)は特定のコンテンツを表示制限することがあります。特定の国におけるコンテンツの表示制限
8.報告を受けたツイートを非表示にする
報告されたツイートには警告が表示され、ユーザーがコンテンツを表示するかどうかを選択できます。
9.ミュートされた、またはブロックされたアカウントのツイートを非表示にする
ユーザーによってミュートまたはブロックされたアカウントのツイートは、共有されても非表示になります。また、キーワードをミュートしている場合は、それらを含むツイートにも警告が表示されます。

訳:「このツイートは、あなたがミュートしたアカウントです。」
訳:「このツイートには、あなたがミュートした単語が含まれています。」
訳:「このツイートは、あなたがブロックしたアカウントからのものです。」
10.表示制限のあるツイート
ツイートが非公開、削除された、またはアカウントがブロックされた場合は表示されません。

訳:「このアカウントの所有者は、誰が自分のツイートを見ることができるかを制限しています。」
訳:「このツイートは、もう存在しないアカウントからのものです。」
訳:「このツイートは利用できません。」
アカウント上での通知《4項目》
アカウントの設定違反や異常なアクティビティがあった場合、アカウントに警告を表示することがあります。
重大な違反があった場合は、Twitterがアカウントレベルで対応することがあります。アカウント所有者は、X(Twitter)ルールに従う必要があります。アカウント上での通知は4項目あります。
1.画像/動画またはプロフィールの編集を求める
プロフィールまたは画像/動画コンテンツがポリシーに違反している場合、一時的に非公開にし、編集を要請します。X(Twitter)は、具体的な違反内容を説明します。

訳:「@TwittersアカウントはTwitterメディアポリシーに違反しているため、一時的に利用できなくなっています。問題が解決され、ポリシー違反が解消されるまで、アカウントは利用できない状態が続く可能性があります。」
2.アカウント所有権を認証する
匿名性を悪用した嫌がらせを防ぐために、アカウント所有者に電話番号またはメールアドレスによる所有権の認証を要請することがあります。認証が完了するまでは、アカウントは制限されます。

訳:「注意:このアカウントは一時的に制限されています。」
「X(Twitter)ルールに違反している可能性があるため、この警告が表示されています。それでも表示しますか?」
3.削除済みアカウント
アカウント所有者がアカウントを削除すると、当該ページは削除されます。これについては、自分の行動によるものなので、警告というよりお知らせみたいな感じです。
4.永久凍結する
攻撃的な行為による違反があった場合、アカウントを永久凍結することがあります。違反者は異議申し立てを行うことができますが、Twitterは判断が妥当であると判断した場合、その理由について説明を行います。
「見えるシャドウバン」警告ラベルの解除方法と対策
それでは、警告ラベルが表示されたらどのように対処すればよいか?答えは簡単です。
「だって・・警告が見えてるんですから・・・。」
警告ラベルが表示された問題のあるツイートを訂正、もしくは削除する事です。(削除した方が早いです。)
また、根本的になりますがヘイトスピーチや規則違反しなければいいだけです。ただ、人によっては「これって違反なの?」と考え方がそれぞれなので、警告ラベルが表示されたら素直に修正、ルールに沿った利用が望ましいです。
納得できない場合は、X(Twitter)運営に異議申し立てをしましょう。
ヘイトスピーチなどのルール違反ツイートにラベルが付けられる
ツイッターは、 ヘイトスピーチを含む投稿に対して、 利用者に注意してラベルの表示を開始することを発表しました。ヘイトスピーチを含むとみなした投稿には、 「このツイートはツイッターの規則に違反している」とのラベルが付けられます。
この理由について「言論の自由を維持しつつ、問題投稿の拡散を阻止だ試み」としています。今後数か月以内に、ヘイトスピーチ以外の問題投稿にもラベルの対象を予定しています。
また、 ヘイトスピーチを含む投稿に対して ラベルを付けるだけでなく、 規約ツイートの削除を要請することもあります。もちろん異議がある場合、違反ツイートを報告することができますが、報告された内容はコミュニティガイドラインに沿って審査されます。
そして、違反者に対する警告やアカウントの永久凍結など、違反の内容に応じた対処を行い、 言論の自由を尊重しつつ、 ヘイトスピーチなどのルール違反ツイートに対して、 適切な対処を行っていくそうです。
表示制限や規制検索、 リツイート不可などの対応が取れる
X(Twitter)は、ヘイトスピーチや嫌がらせなどに関する投稿が指摘されており、この措置を講じることで、ユーザーの安全性を考えようとしています。
具体的には、ヘイトスピーチっぽいツイートに「表示が制限されている」とラベルを貼り付け、シャドウバンする方針を発表しています。また、 違反行為に対してやアカウントの永久凍結など、 違反の内容に応じて警告した対処を行うこともあります。
さらに、X(Twitter)は、規制検索やリツイート不可などの対応も取れることができます。これらの措置は、ユーザーの安全性を確保するために遵守する措置で、違反行為に対して無効な対応を取ることができるという意味です。
ヘイトスピーチの問題など行動を行うユーザーが、 他の人から隔離されるユーザーが期待される

X(Twitter)は、ヘイトスピーチや嫌がらせなどの問題投稿に対して、表示制限や規制検索、リストに追加などの対応を行い、投稿が拡散されることを防ぎ、ユーザーの安全性を確保する措置をします。
ただし、透明性を高めることが求められ、一方的な言論弾圧にならないように注意もしています。よくある、報道の自由みたいなモノです。
イーロン・マスク氏は、表現の自由の絶対主義と、ヘイトスピーチなどのルール違反の取り締まりの板挟みにある中で、「表現の自由はリーチの自由ではない」という原則を提唱しています。
つまり、法的に問題がない限り、ツイートを削除したりアカウントを凍結したりすることは避けつつ、リーチ制限して、過激な発言が目に触れないようにすることを提案しています。
シャドウバンを【見える化】した理由とは?

近年、ソーシャルメディア上でのヘイトスピーチや誹謗中傷が社会問題となっています。これらの問題に対して、X(Twitter)はルール違反ツイートに対してラベルが付けられる表示制限や規制検索、リツイート不可などの対応を行います。
これらの対応によって、ヘイトスピーチなどの行動を行うユーザーが他の人から隔離されることが期待されます。つまり、ヘイトスピーチなどの行動を行うユーザーは、自らの言動に責任を持つ必要があるということです。
このような対応は、ヘイトスピーチなどの行動が、多様性や包括性を尊重する社会において受け入れられないことを示しています。また、これらの対応は、被害者や社会全体の利益を考えたものであり、ヘイトスピーチなどの行動によって被害を受ける人々を守ることが目的です。
しかしながら、このような対応には、自由な表現権の侵害や偏見や差別を助長する恐れがあるという批判もあります。そして、対応が不十分だと考える人々もいます。これらの問題に対しては、社会的な議論が必要であり、多様な意見が尊重される社会を実現するための取り組みが求められています。
以上のように、ヘイトスピーチなどの行動に対しては、適切な対応が必要であり、自由な表現権と被害者や社会全体の利益をバランス良く考慮した上で行われる必要があります。
また、社会的な議論や多様な意見を尊重する取り組みが求められることも忘れてはなりません。
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